日本橋神経クリニック

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当院の立ち位置

当院の立ち位置

はじめまして

院長の久保田です。ここでは、てんかんに関して私が見たこと経験したこと、巡り合ったすごい人素敵な人のことなど徒然に記そうと思います。

てんかんで治療を受けている人は100万人といわれていますが、その割に専門医数は少なく10年前は300人をわずかに上回るくらいでした。地域的偏在もあり、日本全国だれもが同じレベルの診療を受けるには程遠い状況でした。2011年に起こった東日本大震災は、日本のてんかん診療、特に成人てんかん診療のこのような問題を顕在化しました。以後、関係諸学会の協力もあり、専門医数は今では700名を数えるに至っています。

学会の尽力と並行して、行政も状況打開のための施策を開始しました。“てんかん地域診療連携体制整備事業”という舌を噛みそうな長い名前の事業です。2015年に始まったこの事業は、大げさに言えば明治政府成立以降、初めてのてんかんに特化した予算です。ご存じのようにてんかんは、精神疾患(障害)の一部として対策が講じられています。てんかんのある人のニーズに対する予算は?と聞けば、“精神障害の中にある“とされてきた訳ですが、精神障害のメインはあくまでも統合失調症でした。医療と福祉の狭間に置き去りにされていると言われていた、医療の狭間の側面です。歴史的に画期的な本施策の成功は、てんかん診療にとって大変重要で、何としても実のある結果を残さなければなりません。

てんかん地域診療連携体制整備事業は、てんかん診療体系を、かかりつけ医を中心した1次医療機関、総合病院などてんかんの日常診療に加え、救急診療や入院治療などを担う二次医療機関、てんかんに関する高度な診断・治療の担い手であるてんかんセンターや大学病院を中心とした三次医療機関に分け、病診、病病連携を推進するものです。

では、てんかん専門クリニックの立ち位置はどうなるのでしょうか?上記括りで言うなら一次診療期機関です。家庭医制度が厳格に実施されている英国において、てんかん専門看護師が家庭医制度の中において、一時診療機関として認められ機能しているとのこと。最近は、てんかんに関しては専門看護師を受診する人が増えており、てんかん専門看護師と家庭医は良好な連携を築いていると聞きます。ちなみに英国の専門看護師は処方や検査を指示することが可能です。

私たちが目指すのは専門性を有しながら、日常的診療を提供する医療機関です。地域の先生方と協力し、二次、三次医療機関の先生方の力をお借りしながら、てんかんのある人の生活に則した診療の提供できるクリニックにしたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。