この度縁あって、日本橋にてんかん専門のクリニックを開業することになりました。
私は、学生時代からボランティアとして日本てんかん協会の様々な活動のお手伝いをしてきました。そこでてんかんのある人やそのご家族から多くのことを学び、その方々の喜怒哀楽も身近に感じてきました。大学を卒業後、1989年より30年間、静岡てんかん・神経医療センターにて、てんかん診療一筋に打ち込んできました。
てんかんは全国に100万人の患者さんがいるとても身近な病気で、適切な診断と治療が提供されたら、7~8割の人は発作のない生活を送ることができます。慢性疾患であるてんかんは将来を見越した、あるいはライフステージに合わせた治療が求められます。近年、多くの抗てんかん薬が発売され、それぞれ特徴があり、一人一人の患者さんに合わせた薬物の選択が可能になってきました。
心理社会的治療は、薬物療法や外科療法などと並んでてんかんの治療の両輪の一方です。
てんかんの心理社会的治療の一つに、MOSES(モーゼス)というプログラムがあります。MOSESは自立した生活を身に着けるための手段であり、小児期医療から成人期医療への移行のための手段としても利用できます。
私はこれらのことを、てんかん診療の最前線で実践しようと思います。まだまだ始まったばかりの分野です。一緒に育てていただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。